油絵の修復 1

【2004年修復作品例】 常滑市N氏より修復依頼作品

修復前
修復後

「故大澤鉦一郎氏の油彩作品の修復 表面汚れ除去及び新規額装についての記録」

<寸法>

Pサイズ12号(名古屋の彩画堂という画材店で入手したものと思われる)

<時代>

作品の所有者であるN氏の購入経過と知多歴史民族博物館にて開催された大澤鉦一郎展【2004/10/23~12/5】での現物作品調査と図録調査(図録P14No9作品の表現又サインの筆致)などから1930年位に制作されたものではないかと推測される。

<作業>

作品の表面に付着している煙草などの汚れ、動物の糞などを無水アルコール及び水性の汚れ除去材で丁寧にこすりながら少しずつ除去していくと下から制作当時の絵の具の層が現れてきた、この作家の技術の力量であろうが絵の具のひび割れ、剥落等はみられなかった。
今後の作品保存のためにも、汚れを除去し新しくなった絵の具層の上に画面保護用バニスを塗布しておいた。